ニュース 抗がん剤オプジーボで若返り?

今井真一郎ワシントン大学教授は老化抑制の専門家。教授によると現在有力な老化抑制法はサーチュインを活性化臓器や組織にたまっている老化細胞を除去する「セノリティクス(老化細胞除去薬)」、免疫抑制剤のラパマイシンの誘導体である「ラパローグ」、糖尿病薬としても用いられている「メトホルミン」の活用としている。これらの方法でネズミのデータから男性10年、女性13年の健康寿命の延長の可能性があり、それを期待し研究を続けている。

 

  • 読売新聞の11月3日の記事によると、

  • https://www.yomiuri.co.jp/science/20221102-OYT1T50184/

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  • がん免疫治療薬「オプジーボ」をマウスに投与すると、体内の老化細胞が減り、身体機能が改善したとする研究成果を、東京大と金沢大のチームが発表した。様々な臓器・組織の老化防止や生活習慣病の治療につながる可能性があるといい、論文が2日付の科学誌ネイチャーに掲載される。細胞の多くは時間がたつと分裂して新しい細胞に置き換わる。分裂しなくなった老化細胞が増えると周囲に炎症が起き、がんや高血圧などの疾患の原因になる。通常は免疫細胞の働きで除去されるが、加齢で増えるメカニズムは謎だった。チームが加齢マウスの老化細胞を調べると、一部の細胞の表面に「PD―L1」という分子が多くくっついていた。この分子が免疫細胞の表面にある分子「PD―1」と結合し、免疫を弱めることがわかった。チームは、PD―L1が老化細胞を増やす原因とみて、免疫細胞との結合を邪魔して免疫を活性化させるオプジーボを加齢マウスに投与した。その結果、様々な臓器で老化細胞が顕著に減少して握力が回復したほか、脂肪肝のマウスでは肝機能が改善したという。オプジーボは、PD―1を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した 本所佑 ・京都大特別教授の成果をもとに開発された。チームの中西真・東京大医科学研究所教授(分子腫瘍学)は「がん治療と同じ仕組みを使った新たな抗加齢療法につながる」と話した。茶本健司・京都大特定准教授(免疫学)の話「免疫が老化を制御する働きを解明した重要な成果だ」

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  • 記事にありました。認可されている医薬品に老化細胞の除去作用があることを見つけたもので若返り、長寿の学的な大きなステップだと思われます。但しオプジーボは若返りの薬として使用するには値段が高く、副作用も多いので、これをきっかけに新しい薬の開発が望まれます。

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