南カリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームの研究報(https://doi.org/10.5534/wjmh.190043)によると、90%の自称テストステロン・ブースターと称するサプリの内24.8%しか根拠のある科学的データを持っていませんでした。上記の表に、具体的なサプリの名前が記されています。このリストにないサプリは、そもそもデータそのものが全くないサプリです。市場に出ているサプリ109種類の内67種類は何のデータもありませんでした。19種類のサプリには1つの研究報告が、13種類のサプリには２つの研究報告が、3種類のサプリには4つの研究報告が、4種類のサプリには4つの研究報告が、1種類のサプリには5つの研究報告が、また1種類のサプリには6つの研究報告がありました。このブログを見て頂いている読者さんの中にはサプリの販売をビジネスとしている人も居るかもしれませんが、これが現時点(in 2020)の科学的客観的な評価になります。また市場のサプリを調査したところ中に入っている成分は多い順に下記の表にある通りです。

 サプリに対するFDAの規制はないようですが、1日あたりの上記の表の容量(RDA)を守りましょう。

2つのサプリメントが亜鉛のFDAの上限(UL)を超えていたのは気になるところです.比較的低レベルの亜鉛の過剰摂取は、銅と鉄の利用を妨害し、高密度リポタンパク質コレステロール(HDLコレステロール)濃度に悪影響を与えることが示されています。同様に、わずかに高い用量は、貧血と好中球減少症、および免疫機能の障害を引き起こすことが示されています。

テストステロン欠乏症の評価と管理に関する2018年の米国泌尿器科学会ガイドラインによると、患者さんには、テストステロン補充療法(TRT)が勃起機能、性欲の低下、貧血、骨密度、除脂肪体重および/または抑うつ症状を改善する可能性があることを知らされるべきとしています。 TRT にはこれらの効果があるかもしれませんが、FDA は次のように述べています。このような主張は、栄養補助食品ではなく、医薬品に対してのみ合法的に行うことができます。」 。しかし、このFDAの声明にもかかわらず、「Tブースター」サプリメントは多くの効果を歌っています。これらのいくつかは T の改善に関連している可能性がありますが、そうでないものもあります。

前回に紹介したように血中テストステロン濃度が高いと長生きする傾向があることと、60歳以上にTRTを実施すると筋力が改善することなどを考えると、私はテストステロン・ブースターを選んで購入し自分に合うか試したいと思います。なお上記の研究報告は男性に対するものです。女性には効果がなさそうです。