膵臓癌、癌マーカー血液検査は意味なし?

  • 癌に罹った場合の10年生存率、つまり生還率は前立腺がんが最も高い98.7%。他は乳がん87.5%、大腸がん67.2%、胃がん66.0%、肺がん34.5%、肝臓がん21.8%などで、膵臓(すいぞう)がんは6.5%でした。膵臓癌では宣告されると20人に一人しか生還できません。以下に示すような方は方は特に定期的に検査を受けた方が良いと思われます。

    •  
    •  
    •  
    •  
    •  
    • 家族に膵臓がんの人がいる
    • 糖尿病の方
    • 肥満の方
    • 喫煙される方
    • 大量飲酒されている方
    •  

    膵臓がんの健康診断としては血液中の膵酵素や癌マーカー(PSA除く)などがありますが、癌があっても増加しないことや逆に癌がなくても増加することがあり検査に使うには不適当です。例えば膵臓がんの腫瘍マーカーとして、最もよく使われるのは CA19-9 です。 膵がんを検出する感度としては70-80%あるといわれていますが、早期の従って生還確率の高い 2cm以下の膵がんでは陽性率が約半分ともいわれています。膵癌の診断の性能を比較すると,造影剤を使用したCTの感度は89%であるのに対し,腹部MRIの感度は89%と両者の診断能はほぼ同等でした

     MRIには拡散強調像(diffusion weighted image;DWI)やMR胆管膵管造影(MRCP)などの撮像法があります。DWIは水分子の拡散を画像化する方法であり,多くの悪性腫瘍では水分子の拡散が低下することを用いて腫瘍を検出することができます。Parkらは,膵癌の診断において,通常のMRIの感度が75〜76%であるのに対し,DWIを加えることで感度が96〜98%に上昇すると報告し、膵癌診断におけるDWIの有用性を報告しています。つまり、これらの検査を受けることによりほぼ膵臓癌は防ぐことができることになります。できれば毎年、少なくとも2~3年に一度実施するとよいと思われます。実は私は昨年、全身の癌の検査ができるDWIの発展型のDWIBSを受けました。この時、前立腺癌の疑いがあると言うことで前立腺癌の専門病院で別のMRIの検査を受けました、結果は更に要検査となり特殊な針を刺して前立腺の細胞を採取し癌かどうかの判定を行いました。細胞診断は癌かどうか判定する確定診断です。幸い結果は癌では無かったのですがDWIBSの有用性を確認しました。DWIBSは放射線を一切使用しないので安全な検査です。皆さんが、長寿のために、これらの振興技術を活用することを願っています。

  •  

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!