NMN摂取に意味がない理由

 例えば、ネットを調べて、たまたま人気商品として出てきた明治製薬のNMNは60粒でトータル6gのNMNが含まれていて45500円する。説明書によると1日に600mgのNMNを飲むとあります。NMNは細胞内に取り込まれNAMPT酵素によりNAD+となります。ヒストンと言うタンパク質が核内でDNAに巻き付いて、いろいろなタンパク質の発現をコントロールします。サーチュイン1はヒストンなどのタンパク質を脱アセチル化し、その働きを調整しますが、そのときに必要とされる補酵素で外れたアセチル基の受け取り手となるのがNAD+です。さて、一見とても高価なNMNを買って飲めば健康に良いように見えますが、大きな疑問が湧いてきます。60kgの体重の人の1日のエネルギー(カロリー)の元になるATPの合成量は120モルで体重と同じ60kgです。ATPが分解されて人間が必要とするエネルギー(カロリー)が生産されます。この時に炭水化物、例えば糖のグルコースを使用して、人間に必要なATPを合成するためには1日あたり600gを摂取して代謝し、その際に33.3モル、22kgのNAD+が抗老化作用など全く無く分解消滅することになります。これは11kgのNMNが1日で分解消滅することに相当します。1日で11kgものNMNに相当するNAD+が何の効果を出すことなく分解消滅するきに45500円もするNMNを購入して1日に僅か600mgのNMNを飲む意味がわかりません。マウスに投与する実験で効果があるとされますが、その投与量は人間に換算すると1日あたり数十から数百グラムに相当します。
本当に、NAD+を増やしたいなら体重の減量が最も効果的です。脂肪を構成する主成分が脂肪酸のパルミチン酸とすると、1モルのパルミチン酸を代謝すると106モルのATPが生成し7モルのNAD+が消費されます。1日に必要なATP生成(カロリー)をパルミチン酸で賄うと2.6kgのNMNに相当するNAD+が消費されます。代表的な糖分の一つグルコースを使用して1日に必要なATP生成(カロリー)を賄うと11kgのNMNに相当するNAD+が消費されるわけですから、パルミチン酸(脂肪)を使用する場合と比較すると8kg以上NMNに相当するNAD+の分解消滅が多いことになります。つまり減量や炭水化物を避けて脂肪を摂るケトン体ダイエットをするほうが圧倒的にNAD+を増やす最良の方法となります。
NMN摂取を勧めている会社や学者さんに是非、反論を聞きたいものです。

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